福島原発事故の「被災猫2世」として保護された猫「まさはる」は、シェルターでも保護猫カフェでも人に心を閉ざし、「狂暴猫」と呼ばれた。そんな彼を「うちの子に」と願う一家が現れた……。そして、周囲を驚かせる大変身を遂げたのだった。 (末尾に写真特集があります) 埼玉県内の一軒家で、お母さんの清美さんに、甘えん坊丸出しの顔で抱っこされているのは「まさはる」。推定6歳のオス猫だ。長毛大型の洋種が入っていると思われる。 このまさはる、かつての彼を知る人たちを、一様に驚かせているのだ。 「えーっ! 人に抱っこされるなんて。人に甘えるなんて。へそ天するなんて。あの、まさはるが……」と。 お母さんに抱っこされるまさはる。お客さんが苦手なので、固まっている 被災地に生まれ育ち、心開かず まさはるは、東日本大震災の起きた翌年、福島原発事故の警戒区域内で生まれた。いわゆる「被災猫2世」である。人のいなくなった町で