高橋アキさんの演奏を聴いた。会場は、テクニックが要されるクセナキスの曲に盛り上がってたけど、私はほんの何気なく聴こえるピアニッシモのタッチにやられっぱなしだった。フェルドマン、圧巻。 音色が、いつも同じ会場で使われてるあのヤマハのピアノとは思えないくらい、深かった。なんだろう、すごく軽くてあっけらかんとしてて、やさしくて包み込まれるようで、そしてとっても残酷な音。とってもスイートなのに、「芸術家」「音楽家」にありがちな、自己愛やエゴ、そこから来るロマンチシズムとはまったく違う次元なの。あたりまえなのだけど、さすがに達観してらっしゃる。 私にはあんな音だせない。今はまだ。 はじまる前にラリーセブン(赤いおかっぱヘアーの錬金術士みたいに不思議なものをいっぱいもってるアーティスト、50代?)が、昔18丁目にあったジョンケージの家に遊びにいった話とか、大学時代、フェルドマンやツェフスキーや他にもい
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