「累積疲労は、体の疲労が心の疲労にも移行する。放置すると、パニック障害や、うつ病、過労死にもなる怖い病気です」。心療内科医で、「累積疲労」という病名の名付け親でもある堀史朗さんは、そのメカニズムを説明する。 疲労がたまってくると、血管の9割を占める毛細血管と、リンパ管がつまりやすくなる。また、体の細胞を修復する成長ホルモンの分泌が減って、死んだままの細胞がたまっていく。こうして、体のだるさを感じるようになる。 さらに、胃腸が弱り、栄養素が消化・吸収できなくなる。特に、ビタミンや微量の重要な栄養素が吸収できず、消化や運動などの生命活動の中心でもある酵素の活性も落ちる。ますます、毛細血管がつまりやすくなる。 こうした中で、脳の毛細血管がしだいにつまっていくと、理性をつかさどる大脳の前頭前野の働きがゆっくりと衰え、神経回路網もだんだん荒廃していく。 「つまった末梢(まっしょう)の細い血管