駅は内装デザインという観点から見ると非常に変わった空間だ。 多くの人が行き交う公共空間としての快適性という意味でも、各鉄道会社間での競争原理に基づいた差別化という意味でも、もっと内装に気を使ってもよいのではないかと思うのだが、実際の駅空間のデザインを見るとそういう意識は感じられない。嫌いじゃないけど。より率直に言うと、けっこう好き。 あたたかみのないテクスチャ。堅くてそっけのない素材。そしてむきだしのパイプ。このパイプこそ内装に気を使っていないことを如実に表す代表例だ。 駅には実にさまざまなパイプがむき出している。水・電気・通信・ガスなどを運ぶパイプ。日常生活でこんなにむきだしのパイプにお目にかかれる場所はほかにない。パイプフェチにとって、思い立ったらいつでもパイプと触れ合えるカジュアルな憩いの場、それが駅だと言ってもいいだろう。よくないですか。 今回は、わたしがパイプフェチを代表して、駅