→紀伊國屋書店で購入 「アフリカ呪術の「現代性」」 本書は、さまざまな視点から、アフリカの呪術と宗教的な現象を考察しようとしたものだ。とくに千年紀資本主義の議論、現代における呪術分析の三つの落とし穴、そして後背地的なものについての考察を面白く読んだ。 □千年紀資本主義 まず千年紀資本主義の議論は、アフリカの宗教的な現象から、、現代日本の問題を裏側から照らしだそうという逆説的で、興味深い試みだ。ポストコロニアル人類学など、文化人類学の最新の成果をとりいれながら、しかもそれをアフリカだけの考察にとどめないというところがおもしろい。 編者によると、それが可能であるのは、アフリカがネオリベラリズムの犠牲となった「先進国」(笑)だからだという。IMFの主導でアフリカ諸国は一九八〇年代からネオリベラリズムを強要されてきたのであり、その被害が顕著になっているのであり、「日本社会もそれに追いつき始めた」(