猪瀬都知事という人は、奇抜なアイディアを提案するのが好きなようです。特にそのアイディア一つ一つに切れ味があるのではないのですが、イデオロギー的な対立に巻き込まれるのを巧妙に避けながら、既存の論点とは違う発想を出し続けることで「敵を作らずに存在感を維持する」ことに腐心している、姿勢としてはそのように見えます。もっと言えば、前知事から継承した保守票の反感を買わないで構造改革的な方向性を示すような、レトリックの抜け道を狙っているのでしょう。 その猪瀬知事ですが、今度は「日本標準時を2時間進める」ことを提案しています。現在の日本標準時(GMT、グリニッジ標準時+9時間)では、株式市場の開く日本の朝9時半というのは、オーストラリアのシドニー市場(GMT+10時間)に「先行」されており、2時間早めれば世界で一番早くなって存在感が増すというのです。 多くの報道ではこれだけの説明しかなく意味不明ですが