前回は、Mediatorパターンの概要を紹介した。今回からは、Cocoaフレームワークの中で、このパターンを利用して解釈できるものを紹介しよう。 取り上げるのは、Cocoaアプリケーションの中でも中心的な概念になる、コントローラだ。 MVCの「C」 ある程度複雑なアプリケーションを設計する際に、言語やプラットフォームを問わず、広く使われている重要な概念がある。MVCアーキテクチャだ。アプリケーションの構成要素を、M(モデル)、V(ビュー)、C(コントローラ)の3つに分割するという考え方だ。Cocoaも、このアーキテクチャを全面的に採用している。 MVC自体は一般的な考え方であり、それをどのように採用しているかは、言語やフレームワークによって微妙に異なる。Cocoaの考え方では、コントローラが最も重要となる。というのは、MVCの3つの構成要素のうち、ビューはCocoaフレームワークが提供する