漫画家としてメジャーデビューし、雑誌の連載を勝ち取るのは難しい。小学館が発行する17誌のうち、最も多い編集部の場合で、毎週20人ほど、漫画家志望の人が作品を持ち込んでいるという。半年ごとに開催する「小学館新人コミック大賞」には3000作の応募が寄せられる。だが、実際にデビューできるのは、17誌合わせて年間数十人ほど。そのうち、雑誌連載に至るのは半数以下だ。 デビューする素質があっても、作品を持ち込んだ先のコミック誌と作風がマッチしなければデビューにつながらない可能性もある。「デジタルツールの普及などによって、制作環境が整い、漫画に限らずアマチュアコンテンツ全般のクオリティーが、昔に比べ上がってきている。良い作品が日の目を見ないのは不幸だ」――小学館集英社プロダクションに、こう考える男性社員がいた。 同社は、作品のアニメ化や商品化などを手がけている。ミュージシャンや役者を目指しながらデビュー