なにげなく立ち寄った雑貨屋に、浣腸が売っていた。 かなり年季が入っている。レトログッズの一種なのだろう。 500円とそれなりに手頃な価格。好奇心から買ってみた。 蓋を開けると、ほのかに甘くほこりっぽいにおい。 この箱の中だけ、昭和が生き残ってる感じがする。 中身を取り出してみよう。 丁寧な説明書とピンク色の浣腸器が入っていた。 とても「浣腸」然としたフォルム。今も昔もこの形は変わらないのか。 容器はザラっとしていて、ちょっと硬い。指で押すと「ボコッ」とへこむ。 たとえるなら、ピンポン玉をやわらかくしたような感じだ。 中には1/3ほど液体が入っている。仕組みは現代の浣腸とほとんど同じだが、 ひとつ気になることがある。 穴がないのだ。 これでは薬が出てこない。肛門にピンクの棒を刺すという単に無為な行為で終わってしまう。 どういうことだ。説明書を読んでみよう。 『クミアイ輕便浣腸』 ーーー毎日排