旅が好きだからといって、いつも旅ばかりしているわけにはいかない。多くの人は、人生の時間の大半を地元での地道な日常生活に費やしているはず。私もその一人だ。が、少し異なるのは、夕方近くにはほぼ毎日、その地域で昔から続く銭湯(一般公衆浴場)ののれんをくぐることだろうか。この習慣は地元でも旅先でも変わらない。昔ながらの銭湯の客は、地域の常連さんがほとんど。近場であれ旅先であれ、知らない人たちのコミュニティーへよそ者として、しかも裸でお邪魔することは、けっこうな非日常体験であり、ひとつの旅なのだ。 庶民の盛り場、京橋の「魔力」にひかれ一杯 「京橋はっ、ええとこだっせっ♪」。京橋、と聞くと大阪人なら誰もがこのCMソングを思い浮かべてしまうのだが、たしかに京橋は“ええとこ”だ。昼間から飲める居酒屋や立ち飲み屋が駅の周囲をびっしりと埋め、どの店も安くてうまくて、よほどの用事が後に控えていない限り素通りする
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