元祖ハッカー、竹内郁雄先生による書き下ろし連載(毎月第4週に掲載)の第2回。今回のお題は「『學問』のすすめ」。 ハッカーは、今際の際(いまわのきわ)に何を思うのか──。 ハッカーが、ハッカー人生を振り返って思うことは、これからハッカーに少しでも近づこうとする人にとって貴重な「道しるべ」になるはずです。 本連載は、毎月第4週に掲載していく予定です。竹内先生への質問や相談を広く受け付けますので、編集部、または担当編集の風穴まで、お気軽にお寄せください。(編集部) 文:竹内 郁雄 カバー写真: Goto Aki 苔むしているというより、カビが生えているような古い話で恐縮だが、1973年の3月16日、高岡忠雄、現オーストラリア・カンタベリー大学教授と私は冷たい風の吹く屋外でぶるぶる震えながら立ちつくしていた。 その約半年後に私が、薄葉紙原稿用紙(当時は原稿用紙が薄い紙で作られていて、それをそのまま