国際石油開発帝石(INPEX)がイランのアザデガン油田から撤退する方針を固めた問題で、同油田の権益の大半が中国に譲渡されることが大きく影響したことが3日、関係者の話で分かった。イランへの制裁を強める米国は、日本政府に中国への譲渡を理由に撤退を要求。さらに米国が尖閣諸島周辺での中国漁船衝突事件で日本支持を表明したことも負い目となり、撤退を余儀なくされた。 資源小国ニッポンのエネルギー安全保障の上で重要な“日の丸(自主開発)油田”が、中国の覇権主義に翻(ほん)弄(ろう)されたことが浮き彫りになった格好だ。 米政府は、7月に議会でイランと石油などエネルギー関連で取引のある企業を対象とした「イラン制裁強化法」が成立したのを受け、日本側に同油田からの撤退を求めてきた。7月中旬にコーエン米財務次官補が、8月上旬にはアインホーン米国務省調整官が来日し、意見交換をした。 交渉にかかわった関係者によると、日