原子力発電所の発電コストが高く、一度、福島第一原子力発電所のような事故を起こしてしまえば、その損害賠償によるコストを加えるとほかの発電方法とは比較にならないことを前回書いた。また、将来はグリーンエネルギーへ移行するのは間違いないが、まだコストが高い。 そのために「つなぎ」となる発電としてLNG(液化天然ガス)による火力発電が有力であることを、主に天然ガスの供給、埋蔵量の見地から示した。今回は、天然ガスの価格動向と、米国で始まっているシェールガス革命のインパクトについて触れたい。 世界の天然ガス価格動向 前回見たように、当面の間はLNGの供給量不足を懸念する必要はないと見込まれるが、一方で気にかかるのがコストの問題である。そこで以下において、天然ガスの価格動向を見ることにする。 ここで、LNG、天然ガスおよび原油を同一の単位で比較するために、百万Btu(英熱量単位)当たりの米ドル価格となって