富野由悠季監督(撮影/河嶌太郎) 僭主政治がはびこっているのでは ――「ガンダム」の世界観を支えるスペースコロニーは、元々は人口爆発への懸念から1960年代に提唱された構想でした。しかし今では国連の予測でも世界人口は2100年頃にピークを迎え、その後は減少に転じるとの予想です。この時代の変化からも、スペースコロニー構想が立ち消えになっている現状があるように思います。 その風潮はそれなりにあるような気がしています。人口減になることを悪く言う報道もありますが、僕はとても良いことだと思います。われわれ人類は永遠に地球を使っていかなければならないわけですから。人類の数について僕はこの2、30年言い続けていることなのですが、世界人口は明治維新の時代まで落とすしかないと思っています。そのぐらいまで減少すれば、今の科学技術を上乗せしていくことで人類は自給自足でき、食糧問題なども解決するかもしれません。