11年目を迎えた今年のCEDECの幕開けとなる初日の基調講演に登壇したのは、東京大学名誉教授の原島博氏です。 ゲーム業界では余り馴染みがないものの、東京大学のコンテンツ創造に関する教育プログラム代表、文化庁メディア芸術祭アート部門審査員、グッドデザイン賞審査員を務めるなどコンテンツに深い造詣の持ち主で、基調講演に相応しい、岐路に立つゲーム業界にとって示唆に富む内容となりました。 原島氏が最初に唱えたのは「ゲームは技術のしがらみから解放される必要がある」ということです。ゲームは技術依存で進化してきて、それは今後も続く、しかし―――。 生まれは1945年9月、ちょうど先の大戦が終わった翌月です。64年に18歳のときに東京大学に入学して以来、今年3月に定年を迎えるまで東京大学に在籍、コミュニケーション工学を専攻してきました。その原島氏の言葉には一段の重みがあります。また原島氏は顔にも大きな興味を