5日、米国立標準技術研究所(NIST)は、次世代のインターネットセキュリティの要として、米IBM等の開発による「CRYSTALS-KYBER」という暗号方式を選定したと発表した。 【こちらも】ネットのセキュリティ強化、新型暗号の選定が大詰め NTT方式は世界標準になれるか? 世界各国でしのぎを削る開発競争が行われている「量子コンピューター」は、現在最高の計算速度を誇るスーパーコンピューターですら1万年は掛かるという計算を、わずか数分で解き明かすという圧倒的な計算能力が見込まれている。開発が実現した暁には、創薬期間の短縮など人類の将来に圧倒的な恩恵をもたらすと期待されているが、その驚異的な能力をもってすれば現在ネット上で利用されているセキュリティは、意味を持たなくなる。 現在の暗号系は因数分解の計算に多大の時間が掛かるところにミソがある。理論的には膨大な時間を掛ければ解析は可能だが、何十年も