Lesson719 文章にできること 1通のメールで、 なにもかも済ませようと、 文章に過剰な役割を強いていないか? 文章にできることを知って、 ふさわしい「持ち場」を与えてみてはどうだろう? 「遠くにいて、久しく会ってない友だちが、 最近、心を病んで、ふさぎ込んでいると聞く。 救ってあげたいが、 どんな言葉をおくってあげたらいいのだろう?」 文章表現の教育をしている私は、 これまで幾度となく、 このような質問に出くわしてきた。 そんなとき、決まって想い出す 1人の学生がいる。 その学生、 (かりに総太=そうたくんと呼ぼう)。 総太くんには、 幼いころとっても仲のよかった友だちAくんがいた。 ものごころついたころから小学校くらいまで、 ずっと一緒で、くる日もくる日も いろんなことをして遊んだ。 しかし、進む道が分かれ、 しだいに連絡もとらなくなり、 気づけば中学・高校・大学と10年近く、A