またナイフの話。 今回は武術としてナイフ格闘を学ぶ意義について語る。 私はこれまでフィリピン武術やロシア武術のナイフ術を学んでいるが、ナイフそのものが好きで学び始めたという変わり種である(そういう人は自分の周囲には他にいない)。トレーニングナイフを使うのだが、それぞれ特徴がある。どちらも軍隊向けの課程ではないので、ここに書く話が全ての同種の武術に通じる話ではないと思っておいたほうが良いだろう。 まず、いずれの武術においても、おのおのの武術の中心的な体術、技法があり、それに加えてナイフの形状、特性を活かした固有の技術がつながるという特徴がある。 フィリピン武術で言えば、棒(いわゆるダブルスティック)の技が基本であり、同じ型でナイフも徒手格闘も行う。しかし固有の武器の特性を活かした技法がある。フィリピン武術におけるナイフ格闘の特徴は、このナイフの特性を活かした技法が様々な体術と関連づけられて応