日本の少子高齢化に歯止めがかかる様子はない。だが岡山県の奈義町は、他国も注目するほどの出生率を誇っているという。その秘密を探るべく、米紙「ロサンゼルス・タイムズ」が同町を取材した。 「少子化の実感が湧かない」ほど子供がいる町 岡山県、奈義町。山に囲まれた緑豊かなこの町は、何十年も米や黒大豆、そして町のマスコットキャラクターにもなっている里芋の生産地として知られていた。 この奈義町に最近、日本全国、さらには海外からも来訪者が押し寄せている。 人々が尊敬と羨望の入り交じった眼差しを向けるのは、この町の生産品として長らく知られてきたものではない。この町が素晴らしい成功をおさめているのは「赤ちゃん」なのだ。 記録的な少子化と人口減少に悩まされる日本において、半分近くの世帯に3人以上の子供がいる奈義町は「奇跡の町」として知られるようになった。東京のような都会の喧騒から遠く離れた、田んぼが広がるこの町