垂直に置かれた細管中の気泡は、上昇することなく留まっているのは何故か、という科学者を100年間も悩ませてきたミステリーを、スイス連邦工科大学ローザンヌ校の、学部学生が解明した。この成果は2019年12月2日、『Physical Review Fluids』誌に掲載された。 コップの中の水の気泡は、水面まで自由に浮かび上がる。そのメカニズムは基礎的な科学法則で簡単に説明できる。それに対し、細管の中の気泡は動かず、同じ場所に留まっている。物理学者は約1世紀前にこの現象を発見したが、同じ法則では説明できなかった。1960年代のある研究により、気泡と管の壁の間にできる液体の薄膜のために気泡が上昇しないという仮説が登場したが、これを完全に証明する試みはなされていなかった。 研究当時に学部生だったWassim Dhaouadi氏は、夏期の研究助手として研究室に加わり、世界で初めてこの薄膜を測定し、その
![ストローの中の気泡はなぜ動かないのか——100年前からの物理学上のミステリーを大学生が解明|fabcross](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8162a378e210092468770e705a7f51783f82fab6/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ffabcross.jp%2Fnews%2F2020%2Fdmln5300000hid1c-img%2Fdmln5300000hid25.jpg)