1953ColdSummer : 『デュー・デート 〜出産まであと5日! 史上最悪のアメリカ横断〜』 「他人の不幸で飯が美味い」の真意。 (2011/アメリカ R15+ 監督:トッド・フィリップス 原案:アラン・R・コーエン) 唐突な話になるが、コメディ映画の本質に最も近しいのは「他人の不幸で飯が美味い」というやつではないだろうか。よっぽど特殊な例を除いて、スクリーンでドタバタしている俳優なんて赤の他人だし、それを観て、「ああいう風にだけにはならないようにしよう」と、丹田の辺りに力を込め身を引き締めるのは自分である。『シンドラーのリスト』を観て歴史を遡り、チョビ髭で七三分けの小男に「こらこら、ユダヤ人にはもっと優しくせなあかんよ」と説教することは不可能だが、『悪いことしましョ!』を観て、「ああ、悪魔に魂を売ってまで欲望を叶えるのはちょっとねえ……」と、1歩身を引いて考えることはできる。これ