2月17日、『R-1ぐらんぷり2009』(フジテレビ)の決勝戦が行われた。過去最多となった出場者3400人の頂点に立ったのは、”技巧派フレーズ王子”中山功太だった。優勝を果たした彼のネタのどういうところが優れていたのか、今一度振り返って考えてみたい。 決勝の舞台で中山が披露したのは、時報の音に合わせて共感を誘う一言を次々に繰り出す、一種の「あるあるネタ」だった。あるあるネタは、お笑いのジャンルとしてはひとつの定番である。例えば、『エンタの神様』(日本テレビ)を見れば、最低1組くらいはこの手のネタをやっている芸人が見つかる。また、あるあるネタの中でも最も有名なものとしては、かつて一世を風靡したテツandトモの「なんでだろう」が挙げられる。 だが、あるあるネタに対するプロの目は厳しい。芸人のネタでも、ラジオや雑誌の投稿コーナーでも、あるあるネタというのは定番中の定番で、すでにやり尽くされた感が