奇才、寺山修司が亡くなって30年近く。自らの職業を聞かれると「僕の職業は寺山修司です」と語ったように、寺山は48年の生涯で演劇、小説、エッセイ、詩、短歌、作詞、脚本、映画監督、競馬解説など、さまざまな活動をみせた。今もなおその作品群は世代を超えて高い支持を受けている。 とりわけ演劇については、寺山が主宰した劇団天井棧敷が海外公演を行ったこともあり、世界的に高い評価を受け、今なおさまざまな劇団、演出家によって寺山演劇は繰り返し上演されている。そのなかで、天井棧敷で中心的な役割を果たしたJ・A・シーザーや高田恵篤らが寺山の死後立ち上げた演劇実験室◎万有引力は、天井棧敷時代の演出や表現様式を現代に受け継いでいる貴重な存在だ。 今回、寺山と天井棧敷の名を世界的に高めた『奴婢訓』を再演するふたりに話を聞いた。 取材:ステージウェブ編集部 柾木博行 演劇実験室◎万有引力『奴婢訓』は、2月12日(日)〜