新木場スタジオコースト。DIRが東京でやるライヴは、ほぼこのハコだ。東京湾に面した材木問屋が並ぶ閑散とした街の雰囲気とDIRのハードコアな世界観がフィットしてて、会場に入る前から期待が高まり「今夜も痛いの、お願いします!」そんな気持ちになるのだ。 (c)蟹江一平 今夜は、僕の胸の中に刺さったまま15年以上抜けない特別なバンドをご紹介します。その刺さった棘のような、釘のような、はたまた言葉では言い表すことがとても困難な感情のような……「闇」とでも言いましょうか。まさに「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」のような、彼らが放つ、そんな深い闇のような灼熱の感情が突き刺さったまま、抜けないのです。 その刺さった感情はとてつもなく「痛い」。でも、「救いの傷み」でもあるのです。彼らが音楽の力を使い放つその「強烈な傷みを伴う矢」は、刺さる人には的中し、刺さらない人には何も感じないただの「ラウドな音