このところモスクワの街中を歩くと至る所で道路工事や公的施設の改修工事に遭遇する。何ゆえ今さらそんなところを改修しなければならないのか首をひねる現場が多いうえ、地下道などは改修前と改修後でいったいどこを改修したのか分からない。 要は公共工事で少しでも景気を浮揚させようという政府・市当局の思惑であろうか。 7月下旬のアレクセイ・ウリュカエフ経済発展大臣の発言によれば、ロシアの2015年上期のGDP(国内総生産)成長はマイナス3.4%、通期ではマイナス2.6-2.8%になる見通しであった。 その後、8月10日に国家統計局から速報値が発表され、2014年第2四半期の成長率は前年同期比マイナス4.6%、第1四半期のマイナス2.2%からさらに悪化した。 このようにロシアの景気低迷は明らかだが、一方で今年初めに想定されていた数値に比べると大幅に改善している。もちろん、低水準だった前年の裏要因を考慮する必