<「ミャンマー政府は全土からロヒンギャを追放しようとしている」――祖国を追われたロヒンギャたちの孤独な闘いが続く>(本誌2017年3月28日号掲載の特集記事より転載) (前編はこちら) 「無国籍難民」がハードルに 少数民族の反乱の怖さを知るミャンマー政府は、ラカイン州全土が反政府になることを恐れている。ロヒンギャがラカイン族にとって脅威だとあおり対立構造をつくり出し、彼らにロヒンギャを襲わせている。アブールカラム(日本在住のロヒンギャ難民)によれば、ラカイン州でロヒンギャを虐殺する者の多くは恐怖心を植え付けられたラカイン族で、大半が仏教徒だ。 「ロヒンギャを悪玉に仕立て上げるというのは言い得て妙だ」と、ミャンマーに詳しいジャーナリストの田辺寿夫は言う。「中央政府は、ラカイン族やラカイン州に住む仏教徒に対して決まってこう言って脅威をあおる。『ロヒンギャはムスリムだ。一夫多妻だ。放っておけば、
![ロヒンギャを襲う21世紀最悪の虐殺(後編)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1427260d943e25f78f18174e497f39665d76ed75/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.newsweekjapan.jp%2Fstories%2Fassets_c%2F2017%2F09%2Frohingya170921-01-thumb-720x488-120688.jpg)