近代的精神と人種差別(レイシズム)からの脱却 人間も他の動物と同様、自らと異なるものを排除しようとする傾向があるが、これは動物的で未熟な部分である。そして、人種差別主義者(レイシスト)とはそういう動物的な行動で群れて少数派を威嚇する集団で、軽蔑されるべき社会の恥部だ。こういう未開者の暴力を公共の場所から排除することは、社会の公正と文明の程度を保つために必須のことである。 個人の成長という観点からすれば、人間は誰しも未熟な状態では人種差別に陥る可能性がある。人格(あるいは内面、魂、心性、精神、といった別の言葉で表現してもよい)よりも外観を優先する思考パターンはすべからく人種差別に繋がる。人間性の中核には人格があり、それは人格がまとっている衣にすぎない肉体とは無関係のものであるという信念こそが人種差別主義と無縁な近代的精神だ。そうした近代的精神の獲得のためには、個人が成長していく過程で、自分が