St John's Wood London ハッタスリー卿はイギリス政界の要人かつ重鎮で、 すぐれたジャーナリストでもありました。 15年連れ添った雑種のバスターをなくしたときは 「人生最悪の日」だったそうです。 彼がデイリーメールに寄稿した記事は胸をうちます。 犬が死ぬということはおそらく日常のささいなことであろうに、 私はその大きな喪失感に耐えられず、身の置き場がなくなってしまう。 私の元へ全速力で駆けてくるときの首輪のタグのちりんちりんという音。 風呂に入れた後の濡れた犬の匂い。 30秒で食べる朝ごはんのボウルのかちゃかちゃいう音。 私のシャワーが少し長くなったとき、突然ぬっと入ってくる姿。 タオルをとろうと手をのばし、 思いがけず彼の顔に水滴がかかった時の恨みがましい顔。 雨そぶるピーク・ディストリクトへ彼に催促され出かけた時のひどい寒さ。 彼のいびきで夜中に眼が覚めたり、 出かけ