英紙ガーディアンの人気コラムニスト、オーウェン・ジョーンズが「イギリスの左派は新言語を学んで喋るべき。それはスペイン語だ」という記事を書いていた。沈着冷静な彼ですら興奮するほどスペイン地方選で急進左派が大躍進した週、わたしはポルトガルにいた。 ホテルでもバーでも食堂でも、テレビで流れているのはスペイン地方選のニュースばかりで、噂のポデモス(スペインの急進左派。ギリシャのシリザと並ぶ「欧州の台風の目」と呼ばれている)系の左派の台頭に誰もが大きな関心を抱いているようだった。 ポルトガルの庶民たちは疲れて見えた。食堂やバーの店員も、土産物屋のおばちゃんたちも、英語で言えば「fed up」というか、日常の貧しさと閉塞感にくたびれきった顔つきだ。 「なんか一昔前のスコットランドの庶民みたいな表情をしている」と配偶者が言ったのが印象的だった。 そしてそのスコットランドの人々をSNPの女性党首ニコラ・ス