造れば売れる時代は、とうに過ぎ去った。造るべき物が見えにくい今ほど、創造的なアイデアが求められている時代はないだろう。そうした中、創造的なアイデアを生み出す「デザインシンキング」を世に広めようとしているのが、社会人主体の大学院である慶応大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(以下、慶応SDM)だ。デザインシンキングとは何か、既存の発想法とはどう違うのか、そして世界でデザインシンキングはどう活用されているのかといったことについて、慶応SDM非常勤講師であり、コンサルタントとしてデザインシンキングの活用支援を手掛ける富田欣和氏に聞いた。(聞き手は高野 敦=日経ものづくり) ――慶応SDMでは「デザインシンキング」あるいは「イノベーティブ・シンキング」と呼ぶ手法を研究・活用しています。『日経ものづくり』誌でも連載していただいたわけですが、その中には「ブレーンストーミング」のような広く知ら