「またしてもグローバル事業から撤退か。やむを得ない決断なのだろうが・・・」。3月7日夜、9年前に自分が書いた記事を読み返し、こんな感想を抱いた。 7日夜、日立製作所の中西宏明社長がハードディスクドライブ(HDD)事業の売却を発表する記者会見に臨んだ時、情けないことに筆者は自宅にいた。インターネットに流れた速報を読み、HDD事業の売却を知って驚き、会見不参加を悔やんだ。 それから始めたのは家探しであった。さほど時間をかけずに目当ての雑誌を発掘できた。日経コンピュータ誌の2002年4月8日号である。表紙には『日立と米IBM、ストレージ事業の統合で交渉』と刷ってある。中を開くと、『特報 日立がストレージ事業を分社へ 米IBMに出資と事業統合を打診』という見出しを冠した、見開き2ページの拙稿が出てくる。 学ぶべきは「技術の先を読んだ経営判断の難しさ」 9年前、2002年の2月から3月にかけて筆者は