最近では揺り戻しによる“社員大事”経営が流行っている。しかし、いったん失われた愛社精神を一朝一夕に取り戻せるものではない。 ジャーナリスト 溝上憲文=文 「働きがいのある会社」全国5位、年間退職率はたったの0.9%――。誠実で熱い人間が集まり、集団で力を発揮する同社の会社と社員の信頼関係、社員同士の一体感の築き方に迫った。 私は社長を男にしたいと思っています 愛社精神はどうやってつくられるのか――。バブル崩壊以降、日本企業は終身雇用、年功型賃金、手厚い福利厚生といった愛社精神を支えてきた仕組みをことごとく捨ててきた。加えて会社と社員はイコールパートナーであり、意に染まなければ辞めてもいいと広言する経営者もいた。 その結果、社員の離反を招いた反省もあるのか、最近では揺り戻しによる“社員大事”経営が流行っている。しかし、いったん失われた愛社精神を一朝一夕に取り戻せるものではない。 その中にあ