昭和42年、東京都知事に就任した美濃部亮吉氏は、後に岩波書店社長となる安江良介氏を特別秘書に指名する。朝鮮大学校を各種学校として認可する問題について、早急に決着をつけるよう進言したのは、安江氏だった。 ▼当時の文部省は難色を示した。「朝鮮大学校の教育内容は、北朝鮮系の在日朝鮮人の基幹教育を行う学校だ。料理、花嫁学校とは、おのずと性格が違う」。まっとうな理屈である。にもかかわらず、美濃部知事は「憲法に従って」、翌年認可に踏み切った。 ▼これを機に、朝鮮学校を学校法人として認可し、補助金を支給する動きが全国に広がってしまう。美濃部氏は46年に平壌を訪問して、当時の金日成(キム・イルソン)首相と会談する。安江氏の訪朝は5回にも及ぶ。さぞかし、熱烈な歓迎を受けたことだろう。 ▼その間、朝鮮大学校では金一族への崇拝を押しつける教育が続いてきた。昨日の小紙は、それを象徴するような出来事を伝えていた。朝