【ワシントン清水憲司】国際税務の専門家クリシェン・メータ氏は20日、「パナマ文書」をめぐる講演で、資金洗浄や脱税など不正な金融取引で、世界の租税回避地(タックスヘイブン)に、米国と中国、日本の国内総生産(GDP)の合計に相当する30兆ドル(約3300兆円)もの資金が蓄積されているとの試算を紹介した。課税逃れ対策は、26日開幕する主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でも主要議題になる見通しだ。 メータ氏は、世界的な会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)元幹部で、タックスヘイブンの動向を監視する英民間団体「タックス・ジャスティス・ネットワーク」の上級顧問。パナマ文書が流出した中米パナマの法律事務所モサック・フォンセカは、1日あたり100件のペーパーカンパニーの設立や銀行口座の開設を行っていたが、メータ氏は「パナマの4大事務所の一つに過ぎない。世界には50から60のタックス…