内田樹(うちだ・たつる)/1950年、東京都生まれ。思想家・武道家。東京大学文学部仏文科卒業。専門はフランス現代思想。神戸女学院大学名誉教授、京都精華大学客員教授、合気道凱風館館長。近著に『街場の天皇論』、主な著書は『直感は割と正しい 内田樹の大市民講座』『アジア辺境論 これが日本の生きる道』など多数この記事の写真をすべて見る 総選挙が終わり、内田氏が印象に残ったこととは?(※写真はイメージ) 哲学者の内田樹さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、倫理的視点からアプローチします。 * * * 総選挙が終わった。印象に残ったことを二つだけ記しておく。 一つは日本維新の会と希望の党の凋落(ちょうらく)である。維新は金城湯池の大阪で15人擁立して8人落選という惨敗を喫した。小池百合子東京都知事率いる都民ファーストは7月の都議選では50人候補を立てて49人当選とい