経済産業省が進めるあるプロジェクトに対して、参加を求められた情報システム業界から不満の声が噴出している。「電子政府を推し進めようとする国の独り善がり。中小企業50万社へ普及するとはとても思えない」と批判する。しかもこの計画は重大な問題をはらんでいる。表向き、業者選定に公募方式を採用するものの、裏では最初からシステムの重要部分を受注する企業がNTTデータなどにほぼ決定しているというのだ。 50万社の利用で電子納税が進む? 問題のプロジェクトの名称は「中小企業向けSaaS活用基盤整備事業」。「SaaS(サース)」とは、現在IT業界でブームになっているキーワードで、「ソフトウェア・アズ・ア・サービス」の略だ。インターネットを通じて遠隔地にあるデータセンターに置かれた業務ソフトを活用する仕組みであり、中小企業向けに最適なITサービスとして、世界的に注目を浴びているところだ。 このブームに乗るか