減圧した専用トンネルを高速走行 減圧した専用トンネルの中を列車が高速で走る超高速輸送システム「ハイパーループ」が注目を集めている。米スペースX創業者のイーロン・マスク氏が技術設計を支援しているほか,中国やインドでは実用化の構想も進んでいる。日本では慶応義塾大学のチームが基幹技術の開発に取り組んでおり,存在感を高めている。 ハイパーループは,チューブと呼ぶ減圧したトンネルの中を通常の地下鉄よりも小さい専用車両が時速1000km以上のスピードで走るものだ。マスク氏が2013年に基本構想を公開したことにより,関心が高まった。実現すれば,600km離れたロサンゼルス―サンフランシスコ間を30~40分でつなぐことができるという。 輸送車両は速度が速くなるほど空気抵抗が大きくなる。ジェット機が高度1万mを超える上空を飛ぶのは空気が薄く,抵抗が少ないのが一因となっている。チューブ内を減圧して地上でも抵抗