先行記事【いわゆる「学生運動」時代の国民一般の受け取り方】において、1950年代から1970年代初頭の学生運動に関し、現在の一部風潮に見られる「社会全体が支持する姿勢を見せていた」的な意見とは異なり、国民全般としては否定的な視点で状況を眺めていたことを確認した。今回はほぼ同時に行われた内閣府の世論調査を元に、当時各種反社会的活動に対応し治安維持に努めた警察・機動隊の行動に、国民全般はどのような印象を抱いていたのかに関し、1969年(昭和44年)に実施された【警察の警備活動に関する世論調査】から確認していくことにする。なお前年の1968年には東大紛争、機動隊員の死者も出した日大闘争、新宿騒乱などが発生、そして1969年1月18日から19日には機動隊の突入による鎮圧(東大安田講堂事件)が起きている。 今調査は1969年2月6日から2月12日にかけて20歳以上70歳未満の男女に対して調査員による