ウイルス性感染症の手足口病、ヘルパンギーナなど、暑い季節にも子どもは病気にかかりやすい。保育園に子どもを預ける親の強い味方が「病児保育」だが、施設数は不足しており、自治体による取り組みの差も大きい。 (砂本紅年) 東京のベッドタウンとして子育て世代の多い川崎市。同市高津区の「北浜こどもクリニック」に併設された病児保育室では、子どもたちがすやすやとお昼寝中だった。この日は風邪や胃腸炎の子がほとんど。隔離室には水ぼうそうの子がいて、計六人の定員いっぱいだった。 見守るのは、看護師一人と保育士二人。布団の下には、呼吸監視モニターがあり、万一の急変時に備える。隣の診療所には院長の北浜直(ただし)さん(36)が常駐。風邪で預かった子どもが突然、熱性けいれんを起こしたこともあったが、母親を呼び戻すことなく対応できた。