世界全体を見渡すと、1~2月に蔓延していた過度の悲観論が薄らぎつつあるようだ。 原油価格は持ち直し、WTI原油先物は1バレル40ドル前後の推移となっている。銅、亜鉛などの工業用原材料市況全般に、底入れの様相が強い。中国など新興諸国の経済「懸念」も薄らいだ感があり、シリア停戦に向けての米ロ協調に表れているように、地政学的リスクも若干後退している。 環境改善が進む中で取り残された日本市場 最も改善がみられるのが米国市場だ。米国の主要な株価指数は年初来の高値を更新しており、米長期金利も一時の低水準からジワリと持ち直している。イールドレシオ(=長期金利×PER)が底入れするにはちょうどよいタイミングだ、という点は、前回(3月6日)の当コラムで指摘した。実際、米経済に対する悲観論の剥落とともに、長期金利の持ち直しとPERの拡大が進みつつある。 こうした世界的な投資環境の好転は、これも前回述べたように