(武藤 正敏:元在韓国特命全権大使) 自分たちの気に入らない言論に対しては「虚偽・操作報道だ」と決めつけて弾圧し、北朝鮮の挑発や妄言に対しては「状況を鋭意注視している」としか言わない文在寅政権と与党。そんな国になりかけている韓国は「言論統制」が日常的になされる社会主義国と何ら変わらない国家になってしまったのか。北朝鮮が思い通りに操れる国になってしまったのか――。 与党が進める言論統制、違反したメディアには厳罰 「朝鮮日報」は8月12日付で、〈「言論懲罰法、朴正煕軍事政権も作ろうとしたが撤回」 野党はもちろん、保守・進歩とも反対〉と題する記事を掲載した。これは韓国の言論の自由に大きな制約を課し、韓国社会を軍国主義国、社会主義国のような国に変貌させかねない危険な立法である。まずはその記事の要旨を紹介しよう。 〇与党・共に民主党が推進する「言論仲裁法改正案」について、野党・国民の力はもちろん、与