FRB、早々の方向転換 世界の経済や金融市場は大きな潮目を迎えている。米中の「新冷戦」、その一部である「貿易戦争」を一因として、米国景気にも黄信号が付いている。 トランプ大統領が票(つまり人気)が集まる短期的な政策に傾倒し、財政赤字を拡大させるのは、最近の政治家としてみたらよくあることである。 早いもので、2020年11月には次の大統領選挙があり、トランプとしては票固めをしておきたいところである。一番の公約であった、メキシコからの大量の不正移民防止のための「国境の壁」の建設はもちろん、景気対策など、長期的な課題よりも、短期的な政策に注力している。 その景気対策としてトランプが注力しているものの1つに、米国の中央銀行たる連邦準備理事会(FRB)への金融緩和の圧力がある。 トランプは理事会メンバーに自身のシンパ(金融緩和志向の強いハト派)を送り込んでいる。昨年6月にニューヨーク連銀の新総裁にジ