おいおい、なんで今ごろ「サラダ記念日」(俵万智、河出書房新社)なんだよ。と、わたしがこの稿のタイトルを見たら思うでしょう。いや、若い世代はそもそもこの本を知らなくて、新作のライトな恋愛小説か何かだと思うのかも。 小説ではなくて、歌集です。舞台裏を明かせば、来週締め切りが来るコラム(貴重な書籍代&酒代稼ぎ)のネタを探して、ネットで『今日は何の日』と言うページを見ていたら出てきたのです。 <7月4日=梨の日、5日=みたらし団子の日、6日=サラダ記念日....>。えっ。本物の記念日になってたの? 「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 初版は1987年5月8日。わたしの手元にあるのは7月11日の25版。大ベストセラーになりました。もし当時、流行語大賞があったならノミネートされていたこと間違いなしです。短歌という一般的にはほこりにまみれていた表現形式を、口語で現代にアピールした功