ファミリー層をターゲットに照準を定めているドイツ年間ゲーム大賞審査委員会が、今年『ドミニオン』を大賞に選んだことについて、違和感を唱える意見が見られる。いわく、『ドミニオン』は初心者にウケがよくないとか、直感的に分かりにくいとか、中には確率計算勝負のアブストラクトゲームだとまでいう人もいる。 年間大賞は11名という少数の審査員で選んでいるから、たとえ審査員がボードゲームジャーナリズムのエキスパートだからといって、異議を唱える愛好者はいなくならない。しかし去年の『ケルト』、一昨年の『ズーロレット』が「こんな物足りないゲームを大賞に選ぶなんて」という論調だったのに対して、今年は逆で「ファミリーには難しすぎる」である。何を選んでも文句をいう人はいるものだが、大賞の方針から考えて審査員の中にも同様の意見をもつ人はいたに違いない。それではどうして彼らは『ドミニオン』を選んだのか。 まず、『ドミニオン
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