『職業としての地下アイドル』(参照)という書名がマックス・ウェーバーの主著のもじりであることはさておき、「地下アイドル」とは何か、という関心が、それを知らない人にとってこの書名でまず関心をひくところだろう。「そんなことも知らないの?」という人でなければ、「地下出版」「地下教会」というように「当局から弾圧される文化活動としてのアイドル」を連想するかもしれない。が、そうではない。 本書冒頭に定義は書かれているが、いわゆるメディアに出てくる芸能人アイドルが仮想の対比としての「地上アイドル」であり、そうしたメディア的な世界から離れ、小規模のライブ活動をしているのが「地下アイドル」である。メジャー・デビューを夢見ているアイドル活動と言ってもいいかもしれないし、実際本書を読むとそういう過程として「地下アイドル」が位置づけられ意識されている事例も多いこともわかる。 他方、「地下アイドル」について知ってい