第180回国会に提出され継続審議となった法案を前提に(*1)、マイナンバー法案が成立した際の民間事業者における利用の可能性、影響を国際比較をとおして整理するとともに、そうした影響をもたらす仕組みが採用された背景を解説する。 民間事業者の視点からみたマイナンバー法案(PDF/1,008KB) 2012年2月14日、マイナンバー法案(*2)が閣議決定され、国会に提出された。マイナンバー法案は、わが国の住民一人一人に固有の番号(マイナンバー)を付番しようという法案である。各人には、住んでいる市町村から番号が通知され、必要とする者には番号が記載されたマイナンバー・カードが交付される。 マイナンバー法案は、政府・与党社会保障改革検討本部が2011年1月31日に決定した「社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針」に基づいて検討が進められた。基本方針では、制度検討の背景として、行政手続きに多数の添