量子統計力学における基本的概念はvon Neumanによって導入された密度行列ρ(q,q’)である。von Neuman自身は混合状態だけでなく純粋状態にも適用される概念として導入している。密度行列は配位空間に足を持つ行列である。密度行列をWigner-Weyl変換して作ったものW(P,Q)をWigner関数と呼ぶ。これは位相空間上で定義されており、古典統計力学における分布関数との対応が見やすい。しかし、Wigner関数は正定値性を満たさず正規の分布関数としての資格を持たないので、擬分布関数と呼ばれる。Weyl変換は表示の変更であり、量子力学の内容としては等価である。したがって、量子力学の不確定性関係により座標と運動量が同時に確定した値を持つ状態は存在しないのだからWigner関数が正定値性を持たないのは当然のことであると理解される。 1940年、伏見康治は「密度行列のいくつかの形式的性質
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