工業用粘着テープが暮らしを彩る楽しいアイテムに進化した。女性ユーザーの視点を取り入れたカラフルなマスキングテープ「mt」が大人気のカモ井加工紙本社(岡山県倉敷市)を訪ねた。 始まりはハエトリ紙剥がしてしまえば、ただのゴミ。建築現場で使用される殺風景で無機質な工業用製品にすぎなかったマスキングテープが、暮らしを明るくカラフルに彩る「mt」に変貌を遂げた。鮮やかな変身劇を演じたのは、粘着テープの老舗メーカー、カモ井加工紙だ。 創業は1923年。強力な粘着力でハエやネズミを捕獲する「カモ井のハイトリ紙」から事業を興し、一貫して粘着商品の研究を続け、工業用シーリングテープで高いシェアを誇ってきた同社は、2007年、初めて自社製品が持つ「とんでもない価値」に気付かされる。 工業用の自社製品の可能性を気付かせてくれたのは、3人の女性ファンだったと語る営業部コンシューマー課課長・岡本直人さん 多種多様な