日本最古の歌集である万葉集には、恋の和歌が数多く収められていることをご存知でしょうか? そこで今回は、作者不明の「詠み人知らず」とされている歌の中から、甘くて切ない恋心を描いた作品をピックアップ! 万葉集研究家で『女と男の万葉集』の著者である桜川ちはやさんに、現代の私たちの恋愛観に通じる和歌を紹介して頂きました。 まずは、誰もがきっと一度は経験したことのあるであろう甘酸っぱい想いを綴った、こんな歌から。 ------ 紅(くれない)の 薄染めの衣(きぬ) 浅らかに 相見し人に 恋ふるころかも (巻12-2966番 詠み人知らず) ≪訳≫ 「紅花の薄く染めた衣のように、あっさりと会ったあの人が恋しいこのごろだなあ」 ------ 「この歌は、まさに『一目ぼれ』の恋を歌ったものです。紅花を原料にして布を真紅に染めるには、何度も何度も繰り返し布を染料に浸さなければなりません。おそらくサッと一回染
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