鎌倉市内の大手企業の工場は3件に限られ、その一角の撤退は、鎌倉市の税収減に直結する。 12年度予算の市民税約175億円のうち、法人分はおよそ1割の約17億6千万円を占める。「企業城下町」とされる自治体に比べ、企業への依存度は低いものの、市の担当者は「財政難のさなか、その影響は大きい」と危惧する。 松尾崇市長は「地域に根付いた本市を代表する企業の一つが閉鎖されてしまうことは、大変残念です」と談話を発表した。 地元商店にも影響が及びそうだ。近くのそば店主・河合孝行さん(63)によると、十数年前まで工場従業員が客の大半を占めた。年越しそばの出前も恒例だっただけに「花椿(つばき)のマークがなくなるのは悲しい」と話した。